家に10年前に買ってほとんど活躍しなかったプリンターがある。
http://emochin.blog.shinobi.jp/shuuri/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%88%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%AE%E4%BF%AE%E7%90%86フォトプリンターの修理
CanonのSELPHY CP710という写真専用プリンター、小型でポストカードサイズの大きさまでしか印刷できないがインクフィルムを使った昇華型でオーバーコートありという、きれいで長持ちがウリ。ほとんど使っていなかったが久しぶりに印刷しようとしたらぎこちなく動き出して、最初のイエローを印刷している途中で止まって動かなくなってしまった。
詰まった用紙と引っかかっていたインクカートリッジは何とか取り出すことができた。その後は電源を入れてもエラー表示、インクカートリッジは入らなくなってしまった。ヘッドが下がったままになっているようだ。
しょうがないので分解した。筐体を取り去って電源をつないで観察してみると、隅っこにある小さなモーターのピニオンギヤが割れていてモーター軸が空回りしている。このモーターは紙送り・インクフィルムの送り・ヘッドの上げ下げなどを請負っているようだ。ピニオンギヤはとても小さく経年劣化などにより歯車の谷の肉厚の薄い部分がちぎれたようだった。一応、瞬間接着剤で補修してみたが。千切れた部分のギヤピッチが広がってしまってうまくかみ合わなかった。
ピニオンは長さ5mmほど、外径が4mm弱、内径は1.5mmくらい(モーター軸はφ1.6)、歯数は10、ピッチ円は3mmと推察できるのでモジュールは0.3ということになる。
調べてみると、このサイズのギヤはラジコンの部品に使われている可能性がある。秋葉原のラジコン屋で探すと、そのものズバリはないが流用できそうなものがあった。サーボギヤセットという一袋に数枚の金属製ギヤが入っているもので3,500円ほど。使えるか分からないものにしては高いな。更に探し回ると樹脂製を発見、260円。当然ながら樹脂製をチョイス。袋の上からだとサイズが分かりにくいので同じようなのをもう一つ追加して計520円。これで直れば万々歳だ。
帰宅してギヤを確認してみる。目論見通りセットの中の一つは歯車部分が同一サイズのようだ。穴径もノギスで測るとφ1.3~1.4なのでこのまま行けるかもしれない。ただ、大小のギヤが重なっている平歯車で、大ギヤが邪魔になるので切り落とさなければならない。材質はナイロンかなあ、POMではないような感触である。ニッパーで簡単に切れた。
組み立て直していたプリンターを再び分解して修理にかかる。ギヤの軸穴径はちょうどよさげでうまく圧入できた。ピニオンを交換したら元通りに組み立てて動作を見る。電源投入時あちらこちらをウィーンウィーンとちょっと動かしていかもにもそれらしい。何度か入れ直してみたが毎回同じ動きをする。
インクカートリッジ(つっかえずに入った!)と用紙をセットして、写真データの入ったSDカード(この頃は2GBまでで、それ以上のSDHC、SDXCなどは認識してくれない)を挿して一枚写真を選んでプリントスタート。用紙が4往復して(イエロー、マゼンダ、シアン+オーバーコート)無事に写真が出来上がった。わーい。
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