ひしゃくとラジオ
差し込み部を切り落として差しなおせば良いだろう、くらいにしか考えていませんでしたが、ブツを受け取ってみると柄の状態が思っていたよりもかなり悪い。腐ってボロボロになっていました。これは柄を交換するしかないな。
ちなみにオリジナルの柄の太さは、おねじの谷径と同じくらいなので、切って差し込むだけだとユルユルです。
ホームセンターのひしゃく売り場で調査すると、柄の差し込み部はちゃんとねじが切ってあります。柄だけ売っていたらそこで終わったかもしれない。金物屋なら置いてあったかもですね。
家にある材料在庫の中に、良さげな丸棒がありました。元の柄よりひと回わりほ太めだけど、まあ良しとしましょう。ミニ旋盤に掴めるギリギリの長さまで鋸で切断、どうしてもオリジナルよりも短くなってしまいますが、これも勘弁してもらいましょう。
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このミニ旋盤は金工用ですが、刃物台を取り外して代わりに木の板を固定、これに木工バイト(彫刻刀のようなもの)を当てれば木工旋盤に早代わり。
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差し込み部は、おねじの外径程度に削ります。
反対側の持つ部分は丸めてみました。
出来上がった丸棒を、ねじ部に回しながら入れていきます。何度か往復しているうちにだんだんねじが形成されてきました。転造みたいなものですね。キツめでいい感じです。水分を含むともっと締まるかな。
加工した柄をねじ込んで完成。
この柄は、そこいらにあった材料なので水に浸かるのがちょっと心配です。ひょっとしたら水に弱い材料かも。でもしばらくは大丈夫でしょう。
次に壊れたら買い換えるのも良いかもしれません。
ひしゃく13号、348円(ケーヨーデーツー調べ)
でももし、また修理依頼があったら、承ります。
お次はラジオ。ひしゃくと同じ方から「ラジオがウンともスンとも言わなくなっちゃった。電池を取り替えてみてもダメ、ちょっと前に落っことした」という内容でした。
早速症状を確認、確かにウンともスンとも言いません。電源関係かな。バラして中身を確認します。LSI一発の回路と違って、おなじみのコンデンサなどが載っています。抵抗はほとんどチップでしたが。チューナーもバリコンなんぞを使っていてアナログチックです。
基板は単層片面、パターンも太めです。
一見した感じでは、綺麗だしパターン切れやはんだクラックもなさそう。パーツもちゃんと載っているように見えます。
ということは、チップ部品辺りが怪しいかな、はんだをやり直すか、と、まずはんだごてを温めます。
基板を浮かした状態では、電池を入れるには不安定なので別電源を接続しました。
電源を入れながら故障箇所を探す作戦です。
するとアラ不思議、電源が入りました。
電池接点の腐食は無かったし、電池も1.5Vくらいはあったし・・・。
もう一度確認すると、接点はやはり異常なし。
電池の電圧を測ると一本は1.515V、もう一本は1.497V、新品にしちゃあやはり低いなあ。
修理に先だっても測っていたんですが、その時もちょっと低いとは感じていました。でもラジオだから電流は大した事無かろう、とスルーしてそのまま進めていました。
製造年月がマイナス端子に刻印されてあり、91-11と読み取れます。20年以上前の電池でした。未使用だけど古い電池だったわけです。電圧はある程度出ていても内部抵抗が増えていたんでしょう。内部抵抗は測るのが面倒臭いので(測定方法を忘れた)パス。
手持ちの電池は(これも賞味期限をずいぶん過ぎていましたが)1.561V、これに替えたら普通に作動しました。
結局修理するまでも無く、直って(?)しまいました。
このまま閉じるのがもったいなく思えて、何かしてあげようか。
このラジオはボリウムを上げていくと、急に音が大きくなる傾向がありました。
持ち主は枕元で聞いているらしいので、そんなに大音量では使わないはず。だったらアッテネーターを仕込んで使いやすくしてあげようか。
丁度いいくらいの減衰になる抵抗を組み合わせました。しかし抵抗を入れるスペースがなかなか確保できない。セメント抵抗は質量もそこそこあるのでしっかり固定したいし。
という訳で、今回は見送ることにしてそのまま元に戻しました。
「音量を絞りたい」という目的ならもう少し考えて出来たと思います。
お粗末さまでした。
よろず修理承ります。
emo