こんなはずではなかったのですが、手を加えたいところがまだ出てきます。
http://emochin.blog.shinobi.jp/%E5%B7%A5%E4%BD%9C/brompton%E3%81%AE%E3%83%AA%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%BB4BROMPTONのリファイン・4
◆モンベル・アタッチメント
前回失敗したモンベルアタッチメントの新作です。
たたんだ時に飛び出ちゃうのは、アタッチメント自体をデタッチャブルとすることで回避しました。純正のフロントキャリアブロックに工具なしで取り付けられるようにしました。
ユラユラと揺れるのは、カーボンの一枚板で受けていた力を主にアルミ材で受けるようにしました。
で、一応出来ました。問題が無い訳じゃないんですが…。
以下、製作過程です。
材料はA2017、いわゆるジュラルミンです。高力アルミの中では安価で一般的で、ある程度硬く(粘りが少ない)切削加工しやすい材料です。加工ひずみも気になりません。個人的にはA2024が好みなんですけど、高いし2017より入手性がよくないし。アルミの好みを言ってもしょうがないっすけどね。
この材料は何年か前にMonotaROで買っておいたもの。12×200×100というサイズで、1,600円くらいでした。出来上がり寸法は100×88なので、今回の材料代(アルミ)は800円くらいです。現在アルミの価格はこの頃より2割くらい上がっているようですね。
まず、高速カッターで大きめに切り出します。このカッターは刃径165なので100mm幅は一気にできないのでひっくり返して2回で切断しました。その後フライスで切断面を仕上げました。幅の100mmは少し大きめだったので、仕上げ代がありました。
フライスにいつも載せているバイスでは掴めないので、テーブルに直接クランプしました。バイスはテーブルに取り付けるときに直角・平行を出すので、加工物の面が出ていればそのまま加工できますが、直接テーブルにクランプするときは、そのたびに位置を出さなければなりません。
テストインジケータ(ダイヤルゲージ)を当てながらテーブルを動かして、工作物の平行などを見ながらクランプします。これをちゃんとやらないと台無しになります。
片面に直接けがいていきます。仕上がりの厚さは11~11.5mmを考えているので、ここでけがいた面は最後に削ってしまいます。ヤゲン台、ハイトゲージ、スケール、けがき針などを使用します。ねじ穴はポンチを打った後、センタードリルでもみつけだけしておきました。
フライスで位置出しをしながら(けがきを入れないで)穴を開ける場合もありますが、今回はけがき→ポンチ→ボール盤としました。数が多いこともありますが、フライスで何箇所もやると必ずと言っていいほど間違えるからです。
フロントブロックの部分を台形に取り除きます。φ6.5のエンドミルで大雑把に切り取った後にφ10で仕上げました。コーナーはR6にしたかったのですが、このフライスで使える最大シャンク径は10mm(R5)です。
次にねじの下穴を開けます。全部M4なので3.2キリ(3.3が無かった)を使いました。ついでなのでタップも立てちゃいます。スパイラルタップを使いましたが、下穴が気持ち小さいためか、はたまた深いためか、最後まで立てると折れそうだったので、ラストはポイントタップにバトンタッチ。
切り取った台形の部分にフロントブロックを合わせてみます。少々きついので再びフライスに載せて修正しました。一度外さないとブロックを当てて様子を見ることが出来ません。大きな(普通の)フライス盤であれば外さなくても出来そうですが卓上では仕方がありません。クランプするときがいちばん気を使うので、必要以外は外したくないのですが…。
アタッチメントを取付けるねじがあまり調子よくありません。アタッチメントが樹脂部品で、ボルト位置がイマイチ測りにくかったので合ってないのかも知れません。また、めねじが長いので遊びがなくなってしまうのも原因だと思います。
そこで、一旦ねじをさらってヘリサートを入れることにしました。1D(径と同じ長さ)を表面から3ピッチ(2.1mm)ほど奥につけました。これで多少ねじが斜めでもストレスなく締められるようになりました。
角はC1.5ほど面取りしてひとまず完成。質量は150gほどでした。
で、裏返して測ったら76g。
そうです、軽量化したんです。板厚が2mmになるように堀りまくりました。ねじ部は島残し、φ6.5で荒削りして、仕上げにはφ3を使いました。
前後の板はカーボンのプレートを使いました。これは東急ハンズで数年前に手に入れたもの。1.5×150×120で2,000円ちょっとと、やはり高価でした。厚み方向の表面部分だけカーボンシートで中心部分は樹脂だけなので、そこそこ丈夫ですが鋸で切れるし刃物もほとんど傷まなくてサクサク加工できます。
最近東急ハンズ(新宿)に行ったのですが、カーボンプレートは置いてありませんでした。秋葉原のラジコン屋には置いてありました。
後側の板にはクランプが引っかかるように切込みを入れ、前側にはストッパーが掛かる穴を開けます。前側の穴をあけたときに、天地逆にクランプしてしまいました。組んでみて初めて気が付きました。ねじ穴は活かしたかったので、ストッパーの角穴を広げました。必要以上に縦長の穴になりましたが、軽量化と思えば…。
全体の厚みは、0.5mm削って様子を見たら、まあイイ感じだったのでそのまま(11.5mm)にしました。アルミ部分は72gになりました。
アルミの部材にはねじ穴が4個余計にありますが、これはカーボンプレートを留めるための予備として作っておきました。しかし、今の留め方で十分なので、削り落とすかもしれません。削れば計算上4gの軽量化。
カーボンプレートを取り付けるねじはキャップボルトでもいいのですが、飛び出し量の少ないボタンボルトにしました。少し長かったので2mmほど短くしました。旋盤のチャックでちゃんと掴めるか心配でしたがゆっくりやれば大丈夫でした。
芯押し台にドリルチャックをつけてねじを掴み、そのままスクロールチャックで頭部をくわえて芯出しします。センタードリルで2.5mmほど開けてから、バイトで仕上げました。
実際BROMPTONに付けてみました。
ちょっと角張っていてメカメカしいですが、それはそれでまた…。バッグをつけると目立たなくなるし。
フロントポーチをつけるとこんな感じです。
今度のはしっかりしています。実走&輪行しましたが強度に関しては問題ありませんでした。
取り付け、取り外しに関しても問題なし、折りたたむ時は、時は、、、
ぁ、クランプねじと干渉する…。
フレームのクランプはOKですが、ステムのクランプねじが回せません。あと、5mmくらいなんだけどなー。一時外せば済むことなんだけどスマートさに欠けます。クランプ削っちゃおうかなあ。
第三弾で、天辺の中ほどを削って、H型にしようかと。そうすればクランプねじはかわせそうです。だからクランプは削らないことにします。
でも次の作品は作らないかもしれません。結構手間かかるので。
これが(一応)出来上がりの図です。
全部で194gでした。
BROMPTONのリファイン、もうちょっと続くと思います…
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