ヘッドライトにアクスレンを取り付けようという作戦。第一弾はオリジナルのリフレクタステーにパイプ状のアタッチメントを取り付けて、それにライトマウントを介してヘッドライトを装着したものでした。
ライト自体に回路や電池(単三2本)が入っているため、ある程度重さがあるので振動により結構上下にプルプル揺れます。これが最初から気になっていました。
オリジナルのステーはアルミ製です。幅19mm、厚さ3mm。ネットで調べると、やはり同じようなことをしてる方は多く、その中にステーが折れたという事例がいくつか挙がっていました。
ハブダイナモ用のライトなら軽くて問題なさそうですが、電池式のライトではどうしても重量がかさむためにステーの根元に負担がかかります。まして材質はアルミ、非鉄金属は疲労限がないため振動を受け続けていればいつかは折れる、ということになります。
そこで、ステーをステンレスに置き換えて、アタッチメントもスッキリさせることにしました。
材料はSUS304のフラットバー、幅20mm、厚さ2mm、長さ1000mmです。これ以上厚いものだと上手く曲げられる自信が無いのでここいらへんで妥協・・・。
最初は熱をかけてひねりながら曲げようとして、バーナーで赤めてやってみましたが散々な結果でした。ロー付けといい熱間加工といい、どうやらバーナーを使う作業は苦手なようです。どこかで一度ちゃんと教わりたい。
ということで冷間加工に変更です。
材料を10cmほどに切り出してから曲げ加工します。材料を大まかに切るときは高速カッターを使います。刃径165mmのミニサイズですがこれが意外と重宝。最近の刃(チップソー)は木材からアルミ・真鍮などの非鉄金属、鉄・ステンレスまで切れます。さすがにデカものは無理ですが、塊でも温度が上がらないように負荷を減らして時間をかければ切断できます。
曲げる装置は、昔買ったHOZANの板金折り曲げ機K-130。これは自転車用ではなくエレクトロニクス用で、アルミ板を箱型に加工する時に使うものです。曲げ能力はアルミ1.5mm以下、鉄板0.6mm以下ということなので、2mm厚のSUS板では幅20mmと言えどもかなり無理がかかるので、様子を見ながらこわごわ作業します。
写真上の黒い部分で板を押さえ、写真下の青い部分が上側に折れ上がることによって板を曲げるという、わりかし原始的な装置です。
青い部分をグイッと持ち上げると、↓このように板が曲がります
L型にするには一工程
ここで懸念していた問題がありました。紙で折り曲げのシミュレーションを何度やってみても、この折り曲げ機では完成しません。既に折り曲げてある箇所が装置に干渉してしまうのです。
大きさにもよりますが、└─┘←この形はできますが、┌─┘←この形ができません。2箇所目を曲げるときに装置にセットできないのです。曲げる順番を変えてもダメ。
以前もこれで挫折した経験があります。
そこで折り曲げ機を改造することにしました。一部を切り欠いて部材の「逃げ」を作ってやります。これで問題なく曲げられることに成功。
フライスで削って、逃げをつくります
こんな風にセットできるようになりました
曲げるときはこうやります
オリジナルのステーに合わせて曲げていきます。途中45度になっているところがありますが、これにも意味があり、コラムの玉受けと干渉しないような形状になっています。
だいたい同じように曲がりました。曲げ加工は、私のような素人ではどこから曲がるのか分からないため、寸法もいい加減に見た目でマジックで印をつけて、という風になります。
曲げが済んだら両端の余計な部分を切り落とし、角を面取りして、穴を開けたら完成です。これで寸分たがわぬステンレスのステーができました。いや、ウソです。だいたい同じようなものができました。
ライトマウントを取り付けるためのアタッチメントはアルミブロックから削り出しました(多分A2017)。穴の縁は、回転止めのため薄いノコ歯で放射線状に溝を入れました。これをしないと、いくら締めても回ってしまう。